スピーカーの音割れ〜プロPA屋はこうやっている〜

音が割れる

どういう状況で音が割れているのか?

音が割れる状況によって対処方法が変わります。

音割れの原因は、出力している音が使用しているスピーカーの許容範囲を超えている場合に起こります。

それ以外でも、入力の部分で音が割れるといった場合もあります。

音我の怒る音が全体が割れているのか、マイクの音が割れているのかで原因は違ってきます。
よく音が割れているといわれる場合があるが、それはどの音がどのように割れているのかということをしっかり把握して原因究明し対処する必要があります。

マイクの音が割れている場合

割れている音がマイクロフォンまたはワイヤレスマイクの場合、その多くはマイク入力ゲインでの音割れの可能性があります。

マイクロフォンの多くはLawインピーダンス出力で作られています。
その際、入力はXLR入力にマイクケーブルで繋ぐのが通常の接続方法になります。
卓のゲインでその音を増幅して使っていくのですが、張り上げた声を入力した際にピークを超えた音になるとその音はどうしても割れてしまいます。
そのためにも、ゲインは正しく設定する必要があります。
入力段で音が割れているのにいくら出力を抑えようとフェーダーを下げても音割れは解消されません。
同じように、ワイヤレスマイク接続の際も入力段で割れている状況で使用する方を多く見かけます。

ワイヤレスマイクでの音割れ

ワイヤレスマイクの出力は幾つか出力するデシベルの切り替えが出来るように設計されています。

ワイヤレスマイクの出力には、−20dB・−40dBなど出力するデシベルが変えられるようになっています。
何故そのような仕様になっているのかを把握せず使用すると入力段での音割れが発生します。

また、出力端子にはフォン端子とXLR端子の両方が準備されている機器が多く在ります。
物によってはフォン端子しか付いていないワイヤレス受信機もあります。
フォン端子出力を使用して接続する際、フォン⇒XLR端子を使って接続している光景も多く見受けられます。
卓入力のXLR端子は、−60dB(Lawインピーダンス)を受けれるように設計された入力です。
そこに、−20dBの信号を入力することになるとその時点で音割れをする可能性が出てきます。
当然、ゲインは絞りきりの状態で音割れが発生するので、これ以上下げるにはフェーダー操作をする必要があると判断される方が多いようです。
本来ここでやるべき事は、出力をー40dBに切り替えるかフォン⇒フォンのケーブルを使用して接続することです。
卓のフォン端子はHighインピーダンスを受けることが出来る仕様になっているので接続段で音が割れるといったことが無いはずです。
使用している機器の出力がどういう仕様のものなのかを把握せず接続すると場合によっては機器を壊してしまうことにもなりかねないので注意してください。

CDの音が割れる

マイクロフォンの音は綺麗に出ているのにCDを再生すると音が割れるならCD入力段で音が割れている可能性が高いです。

マイクで声をだしている時にCDを再生し、どちらの音もしっかりと聞こえていてそれほど音量も出ていないにも係わらずCDの音が割れるという症状の場合。
CD入力段での音割れが考えられます。
例えば、CDをRCA⇒XLRで接続している場合などに多く現れる症状です。
RCA⇒フォン変換を使いインピーダンスをあわせた接続に切り替えて見ましょう。
どうしてもRCA⇒XLR接続しなくてはいけない場合は−40dBアッテネーターなどを使用して音割れを防ぐ必要が出てきます。

全体の音が割れる場合

どの音もすべて割れる場合は卓の出力が大きすぎるか、スピーカーの許容範囲を超えているかのどちらかです。

前に挙げた一部の音が割れるのではなく、全体の音が割れてしまう場合は卓出力時点での過入力もしくは、アンプで増幅しすぎてスピーカーの許容範囲を超えている可能性があります。
卓出力時の過入力の多くは、各チャンネルのゲイン調整がしっかり出来ていない事が原因になります。
ちゃんとした調整が出来るように各機器の事をもっと勉強する必要があります。

卓ではなく正常にレベルが振れているにも係わらず音が割れる場合は、パワーアンプ出力の音量を下げて音割れしない程度に調整する必要があります。
音が割れると、聞きづらい音になりお客様にも不快感を与えることになりますので調整には十分注意が必要です。