中小音響規模オペで気をつけなくてはいけない機器選び
中小音響規模とは
この中小音響規模のオペレートは多彩なイベントが予想されます。
セミナーやイベントのブースごとの音響、自治会のお祭りなど色々です。
この規模のイベントはかなり多くの場所で使われる事が多いでしょう。
使用機材の例
多くの場合、300wクラスのスピーカーとパワードmixerか12chクラスの小規模mixerとAmplifierといった比較的簡単に設置できる機器が使用されます。
中には、イベント開催団体の方が音響機器セットを所持されている事も多いでしょう。
機器使用例)
mixer YAMAHA
EMX512SC
スピーカー エレクトロヴォイス SX300×2本
マイク シュアー SM58×3本
CDプレイヤー タスカム CD-160MK2
MDプレイヤー タスカム MD350
といった機器を使用するのが多く見受けられます。
このようなイベントを企画される方に多いのが「予算が組めないのでスピーカーは小さめでいいです」といわれることが在ります。
しかし、集客200〜300人を想定して屋内で行なう場合でも人数相当のワット数を持つスピーカーを駆動させる必要があります。
先方が「小さいのでいい」と言っているからとBOSEの101クラスのシステムを持っていったらどうなるかと言った注意点を下記に挙げていきます。
スピーカーを小さいものにしたために起こりうる弊害
上記で挙げたように先方に言われたとおりのスピーカーを準備して行った場合起こりうる弊害を思いつくままに挙げてみましょう。
@音が後ろまで聞こえない
いちばん多いクレームとしてはこの事があげられます。
主催者がこれでいいと言ったからこれにしたんですよ。などという言葉はここでは通用しません。
イベントの趣旨などを考慮に入れどういったシステムで望むかを考えるのも音響屋の仕事です。
音が聞こえないなど論外です。
APowerが無いので音量を上げる
上記のクレームが来た場合多くの方はこの行動に出るでしょう。
まず、メイン音量をフルにしてそれでも駄目ならマイクの音量を上げると言った具合です。
その場合、マイクゲインを上げるにつれ音は歪み始め”割れた音”になるばかりか機器を壊す要因にもなります。
B会場前方よりクレームが来る
今度は「うるさい!」「音が大きすぎる!」などといった苦情が会場前方のお客様より届くはずです。
後ろまでしっかり届けたいがために出した音が今度は前の方にはうるさく感じるのです。
もちろん音が割れ音質も悪くなっていますから余計に耳障りな音になるのは言うまでもありません。
そんなこんなでドタバタな一日を過ごすハメになるのは目に見えています。
そうならないためには
音響機器をオペレートする上で大事なのが”いかに本番の作業を少量に抑えるか”と言う事だと思います。
上記の原因を招いたのは最初の打ち合わせ時点で「そのスピーカーシステムでは”難しいです”」という事をしっかり先方に分からせなかったことがいちばんの原因と言えるでしょう。
そのほかでも色々と弊害となりそうな部分をクリアーにする事を念頭に置いた打ち合わせが必要となるでしょう。
そして、一度受けたなら本番では「これはやっぱり無理でした」という言葉を発してはいけません。
受けた事は何が何でも可能にする。
それが少しでも無理だと思ったら何故無理なのかを先方に分かってもらった上で今出来る最良の方法をお互いの歩み寄りで見つけていく事が大事です。
そうすれば先方も納得してもらえるはずです。
本万事突然の変更があるかもしれません。
そういったことも念頭に置いて準備を進めていかなくてはいけないのが音響屋の仕事です。
忘れがちな事
打ち合わせで忘れがちな事が幾つかあります。
その中でもいちばん忘れてはいけないのが、電源の確保です。
どんな良い音響機器を持ち込んでも電源に繋がなくては使い物にはなりません。
そんなことは先方も承知してるだろう。
貴方がそう思っていても、先方は音響を頼んでいるんだから自分たちでやるだろうと思っているかもしれません。
そういったお互いの意思が相反する事に後で気づいてももう遅いのです。
また、電源確保出来るという言葉を頂いても安心してはいけません。
そのコンセントは空いているのに”同じ系統の電源”で電気ポットやコーヒーメーカーなどが使用されていた場合電源容量不足を生じる事があります。
そういった事を防ぐためにも音響屋さんは小規模音響時でも「電源は20A2口用意してもらいたい」というお願いをするものです。