mixerの使い方〜プロPA屋はこうやっている〜

mixerの使用例

入力部

mixerを使用するに当たり、入力部と出力部を把握する必要があります。
入力部の「ゲイン」があるのは、マイクレベルとCDプレイヤーやキーボード・ギターの レベルには音量の差があります。
それを、均す役目を担うのがmixerの仕事です。
要は、マイクレベルの小さすぎる音量を持ち上げてキーボードやギター・CD・MDなどの音源に負けないようにするわけです。
持ち上げるとは言っても、ゲインでの調節で割れてしまう設定をしてしまっては幾ら調整しても良い音は作れません。
ゲインの調整目安として、マイクで声を張り上げた状態でVUメーターの0dBで振れるように音量を調整する必要があります。
使用するキーボード・ギター・CD・MDなどの出力に合わせてそちらの音量もあわせる必要があります。
均し終えたら、音楽再生しながらしゃべってみましょう。
それでも音楽や楽器の音量が大きいようでしたら何処かの設定が間違っているという事になります。
一つ一つ確認しながら、何が間違っているのかを把握しましょう。

イコライザー

イコライザーには、低音域・中音域・中高音・高音の四つに分かれている場合が多いですが安価なmixerだと低音域・高音域の二つしか付いていない場合もあります。
また、中音域・中高音域は調整する帯域を特定できるつまみが付いている場合もあります。
しゃべりのみ、もしくはBGM主体の現場であればさほど気にする必要も無いですが、ボーカル・バンドなどのオペレートになると中音域・中高音域の帯域可変型のmixerを使用したほうが作業が楽に行なえます。
また、このイコライザーでの調整を極端に動かしてしまうと位相が生じてしまい 音が不自然になってしまいます。
適度な補正、としてお使いになられた方が良いです。

パンポット

パンポットとは、そのチャンネルの定位を左にしたいのか、右にしたいのかという事を決めるものです。
例えば客席からステージを見て右側(上手”かみて”)にギターが居るのに音が真ん中や左(下手”しもて”) から出てくると不自然になってしまいます。
バランスの良い音量と定位を作るためにもパンポット調整を試みてください。
また、スピーカー前でどうしても司会(MC)がしゃべらなくてはいけない場合にそのままの使用だとハウリングを起こす。
だからといってハウリング起こさない程度まで音量を下げると聞きづらいといわれる場合にもパンポットを使用することが在ります。

フェーダー

フェーダーとは縦にスライドするものや、指でつまんで回すものがあります。
縦にスライドするタイプの物には”U”もしくは”0”という表記の場所で使用することが一番良い音が出るように設計されています。
つまんで回すタイプのものにも”U”もしくは”0”の表記があるはずです。機器によってそれが時計の短針の12時の場所に在るものや3時の場所にあるものがあります。

アサインボタン

主にフェーダーの横についているグループアサインボタンです。
これは、チャンネルの音を直接L/Rに送るかグループフェーダーに送るかという事を設定してあげるスイッチです。
直接L/Rに送るのであれば別に問題は無いのですが、一括してフェーダー操作できるように設定するのであれば一度グループに送りそこで調整できるようにした方が楽な場合もあります。
色々と試してみて自分なりの使いやすさを作り出してみてください。

出力系

AUX(オグジュアリ)

オグジュアリセンドとは、其のチャンネルの音を他の目的でも使用したい場合に使われます。
基本的にmixer出力の一つとして捕らえても良いでしょう。
そこから音を他にまわしたとしても、其のチャンネルから音が出なくなるわけではなくあくまでも分岐させるという使い方です。
其の使い方は多用で、オペレーターの都合の良いように使われるといっても良いでしょう。
良く使われる例
  1)エフェクト(リバーブ・ディレイ等)
    ボーカルマイクの音をリバーブやディレイで加工する為にチャンネルの音を機器入力に繋ぐための出力として使用する
  2)モニター出力として使用
    コンサートなどではメイン(ハウス)オペレートとは別にモニターオペレートが舞台上で各アーティストのモニターを調整する事が多いです。
    しかし、モニターオペレートを設置しない場合にはメインですべてをまかなわなくてはいけません。
    そういった場合に、各モニターの出力として使用することがあります。
  3)RECアウト(ビデオ音声送り)
    セミナーや演奏会の場合録音を依頼される事があります。
    その際に、必要な音源のみを録音機器や場合によってはビデオ音声の送りとして使用する場合があります。
    グループアウトから送っても良いです。やりやすい方法を独自で考えて見ましょう。

グループ

これは、機器によって異なるフェーダー数があり一概にこう使ったほうが良いという説明がしづらいものです。
どういった仕組みかというと、前にも述べたアサインボタンによって各グループへと音を送り、其のグループの音を今度は何処へ送るかといった使い方が出来ます。
一度、グループごとにまとめてメイン出力に送ることも可能ですしグループ単体で使用してメインとは異なるスピーカーを鳴らす事も可能です。
例えば、ステージのサイドフィルモニターをここから送ることや、ビデオ・REC機器への音を送ることも出来ます。
また、バンド物で在ればボーカル・リズム系・バッキング系にグループ分けするなどの使用方法も可能です。
また、お芝居などでバウダリーマイクを使用する場合それをグループにまとめておくと操作がしやすい場合もあります。

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