mixerの使い方〜プロPA屋はこうやっている〜

機器メンテナンス

ガリが発生した場合

mixerを長期使用している場合、端子の接点が酸化してしまい、結果つまみを動かす際にバリバリと音が出るようになります。

ガリのメンテナンスでは、接点復活剤を使いメンテナンスを行います。

接点復活剤を使用する場合は、機器の電源はコンセントから抜き通電しないようにする必要があります。
通電したままだと、機器内部でショートしてしまい機器を故障させてしまう可能性があります。
また、接点復活剤使用後すぐに電源を入れずしっかりと乾いた状態で電源を入れるようにしてください。

ゲインやEQなど、つまみを捻って動かすタイプの端子はつまみ部分をはずします。
はずしたつまみ部分の端子を見ると、Dのように円が欠けたようになっているのがほとんどだと思います。
その欠けた部分から、端子内部に接点復活剤を注入していきます。
注入する際は、ストローのようなノズルを付けてピンポイントに注入するようにしてください。
また、接点復活剤の量は適量を過ぎると故障の原因にもなりますので注意が必要です。
適量がわからない場合は、少し足りないかなと思う量を使用して一度で取れない場合は何度かに分けて作業を行うようにしてください。

注入が済んだら、つまみを左右に満遍なく動かしていきます。
その際、左もしくは右端までしっかり回すように操作する必要があります。
しっかり回してあげないと、左右端部分だけガリが残ってしまうからです。

何度か作業していくと判ると思いますが、つまみを最初に動かした際ざらっとした手触りを感じます。※意識していないと感じられないとは思います
そのざらつきが、しばらく回しているうちに取れてくるのが判ります。
それが、接点復活作業が済んだサインだと私は判断しています。
左右端部分は、しっかりと取れているかを確認するのが判りづらいので丁寧に作業することをお勧めします。

フェーダー部は、フェーダーつまみを下に下げた上体で 接点復活剤をフェーダーの下から上まで満遍なく吹きかけます。
接点復活剤は、ストローのようなノズルを付けてピンポイントに注入するようにしてください。
注入が済んだら、フェーダーを上下に動かします。
接点不良(ガリがある状態)のフェーダーは、動作が重かったりある一定の場所で引っかかりがあったりといった状態になることがあります。
しばらく上下しているとスムーズに動くようになっていきます。
上から下までスムーズに動くようになるまで丁寧に動かしていきます。
スムーズに上下するようになったら、フェーダーの隙間から綿棒もしくは竹串にティッシュなどを巻き接点復活剤をふき取ります。
ふき取った後もしばらくは乾燥させる必要があります。

しっかりと接点復活剤が乾燥した後に、電源をコンセントに挿し電源投入しチェックを行ってください。
チェックの際、ガリが発生するようであれば再度メンテナンス作業を行います。
※電源投入が早すぎて、回路をショートさせてしまうと基盤ごと取り替えることになり修理にも費用が掛かることがありますのでご注意ください。
※接点復活作業はこまめに行うものではございません。機器の使用状況にもよりますが頻繁に行うのは避けてください。

お勧めの接点復活剤


HOSA / D 100S2
HOSA / D 100S2

接点復活剤 ※赤色の液状タイプとなります。
■100% DeoxIT
■原液(D100L)をスプレー化した物
■霧吹きタイプ
■不燃性
■原液のクリーニング剤含有率 20%
■使用温度範囲 -34〜200℃


HOSA / F100L L25C
HOSA / F100L L25C

■潤滑油
■フェーダー用
■注射針付