Q&A
ここは、ホームページをご覧になって質問をされた方に僕の知っている限りのことでお答えするコーナーです。
ハウリングとは?
Q: まだ機器に慣れていないせいかハウリングを起こしやすいです。
そもそもハウリングというのはなぜおきるのですか?
また、どうすれば止まりますか?
A: ハウリングとは、信号のループが原因で起きます。
マイクから入力された声が音響機器を通してスピーカーへと出力されます。
その際に、音量が大きいとスピーカーから出た音をマイクが拾ってしまうことになります。
その信号は、音響機器を通してまたスピーカーへと出力されます。
そして、またマイクが拾い・・・・・という無限連鎖により同じ周波数がずっとなり続けることになります。
それが原因で起きる症状がハウリングとなります。
ハウリングを止めたければ、ハウッているマイクの音量を少し下げてあげれば止まります。
イコライザーでハウリングを止めるには?
Q: イコライザーを使ってハウリングを止めると聞いたことがあります。
その手順を教えてください。
A: 少しのハウリングというのは確かにイコライザーで止めることが出来ます。
ですが、実際にイコライザーの役割というのは”ハウリングを止める”のではなく”音場を平らにする”ことです。
ご質問のハウリングを止めるにはどうしたらよいか。
ということですが、ハウリングを起こす周波数帯域を特定しイコライザーで出力を抑えてあげれば”その周波数のハウリング”は収まります。
しかし、場合によっては違う帯域がハウリングを起こしてくることもあります。
音場を平らにするとはどういうことですか?
Q: イコライザーで音場を平らにするという意味が良く理解できません。
それはどういうことなのでしょうか?
A: どんな会場や部屋においても音の響きというのは違うものです。
例えばお風呂で歌を歌うとエコーがかかりすぎたような音になるはずです。また体育館や洞窟なども特有の音の響きがあります。
それは、会館や貴方の部屋でも響く音と響かない音というのが存在します。
そして、スピーカーにも特性があり響きやすい音があるものです。
音響屋さんが「チェック、ワンツー」「ヘイ、ハロォー」などと声を出しながらイコライザーを調整しているのを見かけたことは無いでしょうか?
その作業が、音場を平らにしている時の様子です。
実際の作業手順としては、使用するマイクをミキサーに繋ぎゲインを調整してスピーカーから音を出します。
チャンネルフェーダーをユニティー(Uもしくは0と書いてある場所)まで上げ、すこしずつゲインを上げていきます。
少しハウリングが起こり始めるあたりまで上げたらゲインを固定してハウリングが起こっている周波数を特定します。
その際に、あまり長い時間ハウリングを起こすとスピーカーを破損することになりますので注意が必要です。
周波数を特定するには、耳で聞いてこの辺かな?と思う周波数帯域をイコライザーで増幅(上に持ち上げる)して見てください。
その際違う音がハウリングし始めたらその周波数ではないので一度0まで戻します。
今あおった音が最初にハウリングしていた音より低いのであればそれよりも高い帯域ということになるのでもう少し上の周波数を上げてみてください。
何度かその作業を繰り返しているうちに、最初にハウリングを起こしていた周波数にヒットするはずです。
その周波数を0から徐々に下に下ろして行きハウリングが止まる程度のところまで下げていきます。
それが終わるともう一度ゲインを少しずつ上げていきハウリングがおき始めるところで止めます。
次のハウリングの周波数を特定し先ほど行った作業の手順でハウリングを止めていきます。
それを何度か繰り返しているうちに、数ポイントのハウリングが起きるようになります。
そうなったら、音場を平らに出来たということです。これ以上ハウリングを止めようとせずゲインをハウリングの起こらない場所まで下げていきます。
これで音場を平らにする作業は一応終わりになります。
私は、このとき約5デシベルほど下げて終わりにします。
そのほうが、後で個別に音質を作る場合に都合が良いのです。
マイクの種類ダイナミックとコンデンサーの違いとは?
Q: マイクの種類でダイナミックマイクとコンデンサーという言葉を良く見かけます。
この種類の違いがわからないのですが教えてくれますか?
A: マイクの種類でコンデンサータイプはマイク使用時に音響卓もしくは専用ボックスで電源を供給することにより拾った音を再生することができるタイプのマイクロフォンです。
電源供給しないとこのタイプのマイクで音を再生することができません。
ダイナミックマイクロフォンは、その電源供給が不要なつくりになっています。
マイクケーブルに接続するだけで音を拾うことが可能になります。
コンデンサーマイクのほうが、より繊細な音を表現することが可能になります。
しかし、コンデンサーマイクの取り扱いは繊細で落としたり湿気で壊れる場合がありますので使用するには注意が必要になります。
その点、ダイナミックマイクはコンデンサーよりタフなつくりになっているのでさほど気にすることなく使えるでしょう。
どちらにせよ、マイクロフォンの音を拾う部分は何ミクロンという繊細な幕でできているのでヘッドをたたいたり落としたりすることにより壊れてしまうことがあります。
楽器用エフェクターをボーカルで使用するには
Q: 楽器用のエフェクターを使用してボーカルマイクにエフェクトを掛けたい。
楽曲全体ではなく、曲の途中でエフェクト操作をしたいので楽器用のエフェクターをマイクにつなげようと思いました。
音響機器会社のR社とY社に問い合わせたところマイクプリアンプを使うように薦められました。
自宅にて、ギターアンプを使い接続したところちゃんと音は出ていました。
後日、練習 スタジオで接続して音を出そうとしたところまったく音が出ませんでした。
接続方法として、「マイク」⇒マイクケーブル⇒XLR→TRSフォン変換
⇒マイクプリアンプ⇒パッチケーブル⇒楽器用エフェクト⇒TRS変換⇒マイクケーブル⇒PAシステムに繋いだところ音が出ません。
どうすれば良いか教えてください。
A: 上記接続で問題なのが、楽器用エフェクトアウトにTRS変換を使ったことで不具合が出ているようです。
おそらく、ギターアンプ使用時にはエフェクターからギターアンプには楽器用シールド(モノラルシールド)を使っていたので音が出ていたのではないかと推測できます。
ミキサーに繋いだ時にマイクケーブルでXLRに接続されたのではないでしょうか。
その際、楽器用エフェクトが不平衡端子にも係わらず平衡端子であるTRS変換を使ってXLR変換しマイクケーブル⇒XLRにて音響卓に入れたためプラスとマイナスのショートが発生し音が消えてしまっている可能性があります。
改善策としては、エフェクターアウトに繋げるケーブルを楽器用(ギターなどの)ケーブルに替えてあげ卓入力もフォンで入力することで音が出るようになるはずです。
ただ、音響システムとステージが近い(10メートル以内)であればそのつなぎ方で良いかもしれません。しかし、ライブハウス等でその環境を卓まで音を送るにはマルチケーブルなどを使い数十メートルの距離を引き回して繋ぐことになり結果ノイズが発生する場合があります。
その状況を改善するには、エフェクターの後にD.Iを加えマイクケーブルでマルチに立ち上げるようにすればノイズトラブルを防ぐことが可能になります。
予断ですが、楽器用のエフェクターはそれ自体ノイズを発生する原因になるばかりか幾つも繋げていくと音質低下に繋がる場合があるので注意が必要です。
バンドの音量調整について
Q: 小学校のPTAでバンド演奏を行っています。
ライブ時、ドラムだけがしっかり聞こえていてあとの楽器やボーカルの音が聞こえない状況です。
音響機器の使い方が悪いのかどうか悩んでいますが、詳しい方がいらっしゃらないので今ひとつ何をどうして良いのかわかりません。
どうすれば、ドラムに負けず他の楽器やボーカルをお客様に聞こえるように調整できるか教えてください。
場合によっては機材購入も検討に入れていますが、予算がそれほど捻出できないので出来れば現状での調整をしたいと思っています。
使用機材:
パワードアンプ:Classic Pro/PA10/4
スピーカー:Classic Pro/PA10/4にセットされたスピーカー
マイク:SHURE SM58×3 SM57×1
(Classic Pro/PA10/4にマイク4本を繋ぎボーカル2人・コーラス3人・管楽器などを繋いだ4本のマイクを使って拾っています)
キーボードアンプ:BEHRINGER
K450FX ULTRATONE×2台
(数台のキーボードを2台のキーボードアンプに繋いで音響を通さず使っています。)
上記状況では、ドラムの生音にすべてが負けて聞こえない状況です。
聞こえるように音を上げようとすると、音が割れてしまいます。
A: 私は使用したことは無いのですがClassic Pro/PA10/4のスペックを見た限りでは、室内で50〜70名の集客が精一杯だと思われます
集客が200人・会場が小学校の体育館という場所がら現在のシステムですべてのお客様に音をお届けするのはスペック不足が否めません。
出来れば、片方のチャンネルで8オーム300w以上のスピーカーとパワーアンプを用意したほうが良いかと思います。
予算が取れないとの事ですので、予算が出来るまでは現状の使用方法で工夫する必要があります。
まずは、マイク音量をハウリングしないぎりぎりのところまで上げておきます。
その後、キーボードアンプの音量をバランス良い所まで上げていきます。
最後にドラムの方を交えて演奏してみて、それでもドラムが大きく聞こえるのであれば、ドラムの方に叩き方を調整していただいて良いバランスになるようお願いするしか方法が無いかと思います。
しっかりとした音を届けるためにも、先ほど提案した300wクラスのシステムを構築することをお勧めします。
また、ボーカル・コーラス・管楽器に1本ずつマイクを立てられるよう次回購入する音響卓を選出する必要があります。
家庭用のパワーアンプをPAに使えますか?
Q: H..H.Electronics
Ltd の Professional Power Amplifiers と 松下電器産業のTechnics SH-8055ステレオグラフィックイコライザという機器を持っています。
この機材が、音響として使えるのであれば使い方を教えていただけないでしょうか?
A: パワーアンプは、スピーカーから音が出るように音声信号を増幅する機器になります。
グラフィックイコライザーは、音場を均す為に使用されます。
お持ちのグラフィックイコライザーには、アナライジング機能が搭載してあるようなので専用のマイクを手に入れれば音場を均す為に使用することは可能だとは思います。
しかし、ネットで検索したところ両方の機材は家庭用の機器のようです。
業務用で使われるパワーアンプやグラフィックイコライザーは、長時間使用に耐えうるように作られています。
家庭用の機器で代用すると、思わぬトラブルや機器の故障が生じる場合があります。
両方の機器を、PA現場で使うのはお勧めできません。